お仕事編「自分が一番使いたいものを、作ることにした。」── 15年越しの基礎化粧品、HASHUKAの話
久しぶりの社員インタビュー。HASHUKAの開発者に迫ります!
書き手:うらちゃん
「木村石鹸って、どんな人がいるんだろう?」
この社員インタビューは、木村石鹸がどんな会社なのかを知ってもらいたいという想いで始まりました。木村石鹸を木村石鹸たらしめるスタッフたちが、今何を考えているのかなどを不定期で発信していきます。
今回は、沖縄に拠点を移して基礎化粧品ブランドHASHUKAの開発を進める研究者にお話をお伺いしました。
沖縄の生活について

——今日はよろしくお願いします!もう名前を知っているかたも多いのですが、この企画ではあだなを聞いて、その名前で呼ばせていただいています。なんとお呼びしましょうか!
名無しさん あだな、そうですねぇ、最近は呼ばれていないですが小学生の頃はたこさんでした。
——ではたこさんとお呼びします!たこさんが沖縄に拠点を移してもう数年経ちますよね。沖縄の暮らし、慣れてきましたか?
たこさん 慣れてきましたよ。最初はやっぱりいろいろと勝手が違って。でも気候は本当に体に合っていて、それが一番大きいですね。
——どんなところが違いましたか?
たこさん あったかいのと、花粉がないのが本当に大きくて。自分はアトピーと花粉症があって、大阪や三重にいたころは春先から初夏にかけてずっと薬を飲んでたんですよ。薬でぼーっとしながら仕事してる感じで。
——それは辛い…!沖縄は花粉がないんですか?
たこさん 沖縄は杉がないんです。関西の山って大体が杉林なんですけど、沖縄は広葉樹ばかりで。来てから春が全然つらくなくて、最初は拍子抜けするくらいでした(笑)。
たこさんの原体験:自分が使えるものがなかった。

——まず、たこさんといえば12/JU-NIやHASHUKAの開発者ですが、そもそも基礎化粧品を作りたいと思い始めたのはいつ頃なんですか?
たこさん 木村石鹸に入る前からですね。前職はヘアケア原料の会社だったんですけど、実は髪より肌の方がずっと気になってて。
——え、ヘアケアの会社にいたのに?
たこさん そうなんです(笑)。髪の毛って死細胞なので、補修はできるけど、栄養を届けるとか抗酸化でアプローチするとか、そういう働きかけが難しかったりするので。
——では基礎化粧品への興味はどこから来てるんですか?
たこさん 自分がアトピーで、ずっと肌の悩みがあるんです。大阪の化学工場に勤めてた頃に発症して、伊賀に移ったときは花粉と重なってひどくなって、頭に10円ハゲが2〜3個できるくらい掻いてしまったこともあって。
——それは辛い…!
たこさん 購入できるものは体質に合わないなと思うこともあって、だったら自分で作ればいいんじゃないかという気持ちがずっとあったんです。
——それが木村石鹸でようやく実現した、ということですね。でも木村石鹸でいきなり基礎化粧品の開発じゃなくて、最初はシャンプー(12/JU-NI)でしたよね?

たこさん 基礎化粧品を作りたい気持ちはずっとあったんですが、いきなりスキンケアを出すのは難しいこともわかっていまして。
お客さんからすると、洗浄剤メーカーが急にスキンケアを出してもなかなか手が伸びにくいじゃないですか。
洗浄系だと、木村石鹸にはノウハウもあって、手にとっていただきやすいかなと思っていました。
——計算されてたんですね・・・・!12/JU-NIがヒットしてから沖縄にいきたいと提案されたんですか?
たこさん そうですね。12/JU-NIは自分でもびっくりするような反響があったので、次は基礎化粧品を、という流れになりました。
提案が通るとは正直思ってなかったんですが(笑)
沖縄の植物を、自分の手で原料にしたかった。
——基礎化粧品の開発の場として沖縄を選んだのはなぜですか?
たこさん 沖縄の植物を使ったエキスを原料から自分で作りたかったんです。
通常、化粧品メーカーは原料を原料会社さんから仕入れて組み合わせるということが多いんですけど、自分で原料作れると他社では同じものは作りにくい。そうするとオリジナリティが生まれます。
——それって普通はやらないんですか?
たこさん 大手さんはやられている会社がありますけど、中小だとなかなかそれはできないですよね。時間もコストもかかりますし。今回研究しているエキスもかなり時間をかけちゃっていますし…(笑)。
——そうですよね。ちなみに沖縄の植物を選んだ理由はありますか?
たこさん 沖縄の植物って、本州とは別物なんです。東京の1.5倍ともいわれる紫外線、海から吹きつける潮風による塩害、すごく過酷な環境で。そういう厳しい環境に適応して生き抜いた植物は、強い抗酸化システムを体の中に持ってるんですよ。
紫外線ストレスとかは、最終的に酸化ストレスになって植物の身体を攻撃しようとするんですけど、それに対する防御システムが、厳しい環境の中では作られたりするんです。
——街を歩いていても感じましたよ、植物の力強さ。街路樹からして全然違いますよね。
たこさん ジャングルみたいですよね(笑)。しかもどの植物もめちゃくちゃ元気で。その強さをエキスにしたかったというのはありますね。
——実際にどんな植物で試したんですか?

たこさん ヨモギ、ニガナ、スイセンジナ、ウコンなど複数で抽出・試験を繰り返しました。ウコンは抽出時に濁ってしまって断念して、琉球ヨモギは安定性に課題があって。最終的に残ったのがフーチバー(ヨモギ)でした。
——沖縄だからこそ研究できている感覚がありそうですね。
たこさん 沖縄県工業技術センターに通って顕微鏡で乳液の液晶構造を撮影したり、エキスの抗酸化力を自分で検証したり。多くの植物の花って収穫期がすごく限られていて、朝取ってその日のうちに抽出しないといけなかったり、その季節だけにしか流通しない植物や野菜があったり、本州では出回らない植物があったりする世界なんですよ。その場にいないとできない研究は確かにありますね。
——なんか沖縄にいる理由がわかった気がします(笑)。
たこさん (笑)。あと、こういう研究をしていると原料のことが本当によく分かってくるんです。他社の原料と自分のエキスを並べて比較できる。それが強みになっています。
中身がめちゃくちゃ豪華な乳液、作りました

——HASHUKAの乳液のすごさをぜひ教えてください!
たこさん 一言でいうと、成分がめちゃくちゃ豪華です(笑)。肌に潤いをもたらしてふっくらとハリを与えるようなナイアシンアミド、トコフェロール、アラントイン、パンテノール、そして月桃エキス(表示名称:ゲットウ葉エキス)。化粧品として寄り添ってきた実力派の成分を惜しみなく入れています。
——月桃ってどんな成分なんですか?
たこさん 沖縄を代表するハーブで、沖縄では暮らしの中で広く取り入れられてます。ナイアシンアミドという成分と組み合わせると相乗効果で肌の潤いとハリへのアプローチが期待できるという研究データもあって、その組み合わせを狙って配合しています。
——そういう組み合わせまで考えて作ってるんですね。あと「ラメラ液晶構造」という言葉を以前聞いたんですが…正直難しくて(笑)。
(たこさんが丁寧に図解してくれていますが、よくわからない笑)
たこさん (笑)。簡単に言うと、人の肌って角層細胞の隙間を油が埋めていて、その油がミルフィーユ状に水・油・水・油と重なった構造をしているんです。これをラメラ構造といいます。油の中に水が閉じ込められているから乾燥しにくい。HASHUKAの乳液は、その、ラメラ構造に近い状態を目指した処方になっています。
——般的な乳液とは違うんですか?

たこさん 一般的な乳液でよく見られるものだと、水の中に油の粒が浮いているようなイメージなんですが、HASHUKAはその油の粒の中にさらに水が閉じ込められたタマネギのような多層構造になっています。外側の水は蒸発しても、内側に閉じ込められた水はずっと残る。だから保湿力が高いんです。
——実際、私も毎朝つけてしっとりしている気がします。
たこさん 良かったです!多めに塗って寝ていただいたら、翌朝もなめらかな肌触りを感じて頂けると思います。乾燥肌の方にも自信を持っておすすめできます。
——肌が敏感な方でも使えますか?
たこさん 自分がアトピー持ちということもあって、防腐剤はギリギリまで抑える設計にしています。成分を豊かに入れて、かつマイルドな処方にしています。そうじゃないと自分が使えないので(笑)。
——(笑)。価格もかなり頑張っていると聞いています。
たこさん 原料原価はかなりかけているんですが、定価は3,000円を切っています。全成分を見ていただいたら、この値段でこの中身はあり得ないと分かると思います。コスパ重視の方にもぜひ。
本丸は、まだこれから。

——今後の展開も教えてください!
たこさん 今は化粧水と洗顔、昼用乳液の開発が進んでいます。そして本丸と呼んでいるのが、沖縄のヨモギエキスを配合した美容液です!
——本丸ということは、美容液が一番力を入れているんですか?

たこさん一番出したいのは美容液ですね。ヨモギの機能性は他の植物と比べてもかなり優秀で、そのエキスを生かした美容液を作ることが沖縄に来た一つの目標でもあって。紫外線ダメージにより乾燥したお肌に潤いを与えてキメを整え、ハリを与えるようなイメージです。
——楽しみですね!その先は?
たこさん 美容オイルとニキビケアも視野に入っています。植物の選定から始めていて、2〜3年かかっちゃうかもしれないですけど(笑)。
——なかなか道のりは長そうですね(笑)最後に、HASHUKAはどんな人に使ってほしいですか?
たこさん 結局、自分が一番使いたいものをずっと作っているんですよね。自分がアトピーで、納得できる化粧品がなかったから作ったんです。乾燥が気になる方、コスパ重視の方、肌に悩みを抱えている方に、ぜひ一度試していただきたいです。自信を持っておすすめできる一本です。
——ありがとうございました!
たこさん ありがとうございました!
